「ビットコインキャッシュ(BCH)」という言葉、暗号資産に興味を持つと耳にする機会があるかもしれませんね。
名前が似ている「ビットコイン(BTC)」と、どのような関係があるのでしょうか。
この記事では、ビットコインキャッシュがどのような特徴を持つ暗号資産なのか、その誕生の背景からビットコインとの違い、そして今後の可能性について、一つひとつ分かりやすくお伝えしていきます。
ビットコインキャッシュ(BCH)が生まれた理由 スケーラビリティ問題とは

ビットコインキャッシュの誕生を理解するためには、まずビットコインが抱えていた大きな課題について知る必要があります。
その課題とは「スケーラビリティ問題」と呼ばれています。
手数料の高騰と送金の遅れ
ビットコインは世界で初めての暗号資産として、とても大きな注目を集めました。
利用する人が増えるにつれて、取引の処理が追いつかなくなるという問題が出てきたのです。
ビットコインの仕組みでは、一度に処理できる取引の量に上限があります。
そのため、取引が集中すると、送金にとても長い時間がかかったり、取引を早く処理してもらうための手数料が非常に高くなったりする事態が起きてしまいました。
これでは、日常のちょっとした支払いに使うのは難しいですよね。
この問題をどう解決するかで、コミュニティの意見が分かれました。
考え方の違いから生まれたハードフォーク
ビットコインのコミュニティでは、解決策をめぐって様々な議論が行われました。
一つの案は、一度に処理できる取引の量を増やすことで、問題を直接解決しようという考え方です。
この考え方を支持する人たちが、ビットコインの仕組みをアップデートし、新しいルールを持つ暗号資産を作りました。
これが「ハードフォーク」という出来事であり、2017年8月にビットコインキャッシュ(BCH)が誕生した瞬間です。
この時、ビットコインを持っていた人には、同じ量のビットコインキャッシュが配られました。
ビットコイン(BTC)とBCHは何が違うの?一番のポイントを解説

ビットコインキャッシュ(BCH)とビットコイン(BTC)は、元々は一つでしたが、今は目指す方向性が異なります。
その最も大きな違いは、先ほどお話ししたスケーラビリティ問題へのアプローチ方法にあります。
ビットコイン(BTC)のアプローチ「価値の保存」
ビットコインは、取引の処理能力を上げるために「ライトニングネットワーク」といった、ブロックチェーンの外で取引を行う技術の活用を進めています。
これにより、メインのブロックチェーンの負担を抑え、その価値とセキュリティを保つことを重視しているのです。
結果として、ビットコインは日常の決済手段としてよりも、その希少性から「デジタルゴールド」のように、価値を保存しておくための資産という側面が強くなっています。
ビットコインキャッシュ(BCH)のアプローチ「日常の決済」
一方、ビットコインキャッシュは、一度に処理できる取引の量を大幅に増やすという、とても直接的な方法を選びました。
これにより、たくさんの取引を、より速く、そして安い手数料で処理することを目指しています。
ビットコインキャッシュが目指しているのは、まさに「日常的に使えるインターネット上のお金」です。
スーパーでの買い物や、友人への送金など、日々の支払いに気軽に使える通貨としての役割を大切にしています。
ビットコインキャッシュ(BCH)の発行枚数に上限はある?過去の価格も紹介

暗号資産について考えるとき、その発行枚数やこれまでの価格の動きは気になるポイントですよね。
ここではビットコインキャッシュ(BCH)の供給量と、過去の価格について見ていきましょう。
発行上限は2,100万枚
ビットコインキャッシュの発行される上限枚数は、ビットコインと全く同じ2,100万枚と決められています。
新しく発行される量は約4年に一度「半減期」を迎えるごとに半分になり、最終的には上限に達する仕組みです。
枚数に限りがあることは、その価値を支える一つの要素と考えられています。
BCHの最高額はいくらだった?
では、ビットコインキャッシュの価格はこれまでどのように動いてきたのでしょうか。
「BCHの最高額はいくらですか?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
記録によると、ビットコインキャッシュの価格が最も高くなったのは、誕生から間もない2017年頃です。
当時は暗号資産市場全体が大きな盛り上がりを見せており、その中で1BCHあたり日本円で50万円を超える価格を記録したことがあります。
しかし、これはあくまで過去の一時点での価格情報です。
暗号資産の価格は常に変動しており、将来の価格を保証するものではないという点は、心に留めておく必要があります。
ビットコインキャッシュ(BCH)のこれから どんなことに期待できる?

ビットコインキャッシュは、決済手段としての役割を果たすために、今も技術開発が続けられています。
今後の可能性と、考えられる課題について見ていきましょう。
決済だけではない技術開発
ビットコインキャッシュは、ただ速くて安い決済ができるだけではありません。
最近では「CashTokens」という新しい技術も導入されました。
これは、ビットコインキャッシュの仕組みの上で、独自のトークンを発行できるというものです。
これにより、決済通貨としてだけでなく、様々なサービスを展開するための土台としての役割も期待されています。
普及に向けた今後の課題
ビットコインキャッシュの今後にとって大切なのは、決済手段としてどれだけ多くの人に、そして多くの場所で使われるようになるかという点です。
低い手数料と速い送金速度は、国を越えた送金や、日々の小さな支払いにおいて大きなメリットとなります。
ですが、決済機能を備えた暗号資産は他にもたくさん存在します。
多くの競合がいる中で、ビットコインキャッシュがその存在感を示し、多くの人に選ばれるサービスや利用場面を生み出していけるかどうかが、今後の成長のポイントとなるでしょう。
【免責事項】
本記事は、暗号資産に関する情報の提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
暗号資産の取引は、価格変動リスクを伴います。
取引を行う際は、ご自身の判断と責任において、十分な調査と検討を行ってください。
本記事に掲載されている情報は、その正確性や完全性を保証するものではありません。
本記事に掲載されている画像は、あくまで説明のためのイメージです。
細部や状況が実際と異なることがありますので、ご留意ください。
【参考情報】
- Bitcoin Cash 公式サイト (https://bch.info/)
- CoinMarketCap (Bitcoin Cash) (https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoin-cash/)